桃色 桃花
紅花染めの色は、薄くなる程、紫がかってきます。
紅花は高価なものであったので、上流階級の人々のものとされ、
一般の赤系は、茜や蘇芳を用いました。
その為、紅花で染色したものを“本紅(ほんべに)”、茜や蘇芳で染色
したものを“似紅(にせべに)”と呼んで、区別しています。
光源氏は紫の上とともに、歳の暮れに明石の姫君、花散里、玉鬘、末摘花、空蝉など
女君たちに贈るための衣装を並べて選んでいます。
そのなかで、彼がもっとも愛してやまない紫の上には
「紅梅のいと紋浮きたる葡萄染(えびぞめ)の御小袿(こうちき)、今様色のいとすぐれたる・・・」
を贈っています。
桃花色でしょうか